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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす。奢れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き人も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。
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真珠湾への道~開戦・避戦9つの選択肢~

真珠湾への道~開戦・避戦9つの選択肢~_b0014954_026404.jpg日中戦争から日米開戦までの日本の外交努力を明らかにし、ここでこういう方法をとっていたら対米戦争は回避できたのではないのかという考察をしている。

まず、以外だったことは、近衛文麿の「蒋介石政府を相手とせず」(第一次近衛声明)後も日本は泥沼化する対中戦争を終結させるべく、様々なルートで蒋介石政府と交渉を行っていたと言うことだ。思ったより中国の対抗は続き、日本の軍部も疲れてきていたということだ。
しかし、これは軍の面子、中層部の強硬意見で失敗に終わる。
日本は対蒋援助を続ける米英をけん制する目的で日独伊三国同盟を結ぶ。これも、当時の外相松岡洋右の対米戦回避のための手段であった。だが、米国が嫌悪するナチスと手を結ぶことで状況は悪化する。
 
 さらに事態妥結のため(援蒋ルート遮断)に日本は仏印進駐を決める。特に南部仏印への進駐は日本の蘭印侵攻という危機感を米国に与え、結果として対日禁輸出政策となる。この間米国は、仏印からの撤兵、中国からの撤兵、蒋介石政府のみ認めるという条件で通商の再開を申しいれるが、軍部の反発で拒否。さらに、ルーズベルトによる仏印中立化提案も拒否する。この頃の軍部は強気であった。

 石油禁輸の後、日本はさらに米国との交渉を進めていくこととなるが、陸軍中層部はほぼ主戦論をとり、上層部がこれに突き上げられる形となっていた。対米交渉では、米側は全く譲歩を見せず、原則論を貫き通し、日本の大幅な譲歩も全く無駄となった。

 いよいよ戦争の色が濃くなってきた時、陸軍中層部以外はおおむね対米開戦には不安を抱いていた。まず、対米戦争で主役となる海軍は、到底米国と戦争をしても勝てるものではないという認識を持っていたし、外務大臣、大蔵大臣も総力戦となった場合、超大国アメリカに勝てるはずはないと思っていた。東條でさえも、「海軍がやれないといっている」ということで開戦には消極的だった。

 皆がそれを主張すれば良かった。しかし、皆他人に判断を任せたのだ。結局強く自己主張したのは陸軍だけであり、他の大臣たちはそれに流される形となった。無責任政治の結末でる。最後の歯止めであった天皇はクーデターを心配し、開戦の詔勅をだした。

 ありゃ、感想文というか要約になってしまった…
まあ、あれですよ。アメリカの原則論主義にも開戦責任はあると言ってるデスよ、著者は。また、あの戦争は決して自存自衛の戦争ではなく、侵略によって獲得した中国権益を守るためのものであったとも言っています。また、日本はアジアの諸民族と戦ったのではなく、宗主国であった米英蘭と戦ったのだと。結果としてアジア民族にはいろんな被害が出ているが、後にアジア開放につながったのも事実である。

善悪でなく、ありのままの歴史を認識し、考察する。これが本著の特徴である。太平洋戦争を扱った本には客観性が乏しいのが一般的である中、この本はかなり評価できる。
真珠湾への道
開戦・避戦9つの選択肢



by ijigengazou | 2004-10-26 00:24 | 読書系
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