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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす。奢れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き人も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。
by ijigengazou
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読書感想文:真珠湾への道

まだ途中ですが、現在の考えを書いておきます。

乱世には英雄が現れる。明治維新でも多くの英雄が現れ国を導いた。倒幕が良かったのか悪かったのかはわからないが、結果として日本は富国強兵を押し進め、世界列強の一員へと成長した。

だが、太平洋戦争のときはどうか。
優秀な人材はいたのかもしれない。しかし、それを軍、省、宮の保身主義がつぶした。
対米戦争を回避する手段はあった。

仏印、中国からの撤兵という譲歩を日本側が見せることで、おそらくアメリカとの戦争にはならなかっただろう。しかし、この撤兵というところに陸軍が噛み付く。駐兵は軍の心臓であると。また、日中戦争で死んでいった英霊に申し訳ないと。陸軍の保身である。

陸軍が駐兵にこだわったのに対して、海軍は対米戦争をしても絶対に勝てないということがわかっていたので撤兵を求めつほうであったろう。しかし、それは予算配分上不利になる可能性がある。また、和戦の決定は首相に一任するという態度を見せたことにも問題があろう。
統帥権を盾に言いたい放題な陸軍を抑えるには海軍が頑張るしかなかったのではないだろうか。

次は近衛文麿。彼んは一国の首相であるという意識はあったのだろうか。考えとしては正しいと思われるものをもっていた。対米戦争は避けるべきだという考えをもって、実際そのように動いたようではあるが、結局陸軍に押し切られている。なんと弱い首相であろうか。常に軍部のご機嫌を伺っていたかのような印象を受ける。日本の国民国家のため、自らの命を省みず頑張ってほしかった。

第三次近衛内閣のあと、反戦派の東久邇宮内閣を作るという話があった。これは内大臣木戸幸一が苦渋を呈し実現しなかった。皇族内閣の下で開戦→敗戦という事態になった場合
皇族の責任問題になるということらしい。だが、そんなことを言っている場合ではなかった。せっかく主戦派の東條英機が提案してきたことなのに。東條は海軍が「勝てる見込みはない」と言っている対米戦争に踏み込むことについて迷った時期があった。そして、血気盛んな主戦派若手たちを抑えるには、宮様内閣がいいと思いそれを上奏したのだ。

日独伊三国同盟を結んだ外相松岡洋右。陸軍を押さえ得たのは彼だけであった。しかし、彼の米国観はおかしかった。譲歩は相手を付け上がらせるという考えの下結んだ日独伊三国同盟であるが(実際はソ連を加えた4国同盟を想定していたが、独ソ開戦によって幻となった)、ナチスを毛嫌いしていたアメリカをますます怒らせる結果となった。結局日独伊三国同盟は、アメリカの参戦を嫌ったドイツが太平洋の日本と同盟を結ぶことでアメリカをけん制することが目的であったようだ。日本はまんまと利用されたことになる。松岡は、自分の考えに個室しすぎたようである。だが、反面奇妙な譲歩を見せたりして国の方向を誤らせたりしている。奇妙な男である。

わしが知っている優秀な人材とは、海軍の米内光政、山本五十六、井上成美ら親英米派である。彼らは教養深く広い視野で物事をみることができた。三国同盟がもたらす結果もわかっていたが、すさまじい抵抗にあっている。親英米派は命の危険にさらされた日々を送っていたのである。また、開戦派の伏見の宮が海軍の人事に大きな影響力をもっていたこともあり、彼らは優遇されなかった。宮様が人事に影響を持っていたあたりも問題であろう。

歴史で「たら、れば」話は禁物というが、そうとは限らないと思う。「たら、れば」を考えなければ歴史を学ぶ意味が無い。ただの物知りになりたいのならばそれでよいかもしれない。だが、歴史を今、または将来に生かすためには「たら、れば」を考え、それを活用することが必要なのである。

《まとめ》
政治家、公務員は私欲をすて、国のために働け。
省庁の保身がなんの意味を持とうか。国益を第一に考えよ。
絶対的な権力は作ってはならない。
広く知識を吸収し、それをもとに考え状況を分析せよ。
人生の楽観主義はよいことだが、政治の楽観主義は国を滅ぼす。


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by ijigengazou | 2004-10-20 19:42 | 読書系
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